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おわりとはじまり
あなたにも
いのちの音が聞こえますか?
いつか始まった、あなたのいのち。あなたが産まれてから物心つくまでずっとそばにあったのは毎日動かしてくれるカラダと、豊かに感じることが出来るココロ。どんなに嫌っても、最期まで「わたしとして生きていく」という時間。
いのちを刻む音は、いやでも”ちゃんと”終わっていく。誰かの体温に抱かれて「そのままで愛されている」ということを疑わなかったあの頃、「いつか、わたしは終わっていく」ということを実感しただろうか。
ここは、いのちの
音が聴こえる


一秒を終わらせていく

時間が、水が流れていくようにやさしく流れていく。
でも時間は残酷だ。当然のことだけれど、一秒前のわたしもあなたももう居ない。あの頃泣いている私も、笑ってる私にも、もう会えない。

一秒一秒、お別れがやってくる。抱きしめようとしたとて、砂の城が崩れてなくなるかのようにもうそこには「今」しかないのだ。だから、「今」はナマモノ。

余命1年だとしたら
どう過ごそう
行きたい場所に行くこと、会いたい人に会う事、片付けておくこと。書き残しておくこと、愛してるを伝える事。
本当に大切にしたいことはなんだろう。
最期を見据えたときに、物語の描き残しを探してみる。
今は案外たくさん持ちすぎていたり、持とうとしてみたり。最期の旅立ちの時まで手元に残しておくもの以外は手放してみる。軽く飛んで行けるように。
ここからの物語は、 きっと私が生きてきた時間を
終わらせて
始まる物語。
この手が触れたあたたかさ、美しいだけじゃない世界。耳がよろこぶ音も、聴きたくない音も。
大好きなあの人のにおい。このカラダで触れてきたものと、えもいわれぬ豊かな感情で表現してきた、わたしだけの物語を生きることで確かに綴ってきた。
好みの材料で装丁して。でも今日はしっかりと終わらせて、
夜のしじまに表紙をとじる。




明日は
軽やかに
飛んでいこう。
明日は
軽やかに
飛んでいこう。
明日は
軽やかに
飛んでいこう。



Colore vol.5
[最終号]
「おわりとはじまり」
定価:770円+送料

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